約100㎡、4LDK。
数字だけを見れば、十分な広さを備えた住まいでした。
けれど、小さな個室が並ぶ間取りは、広さを分断してしまう。
家族5人の暮らしに対して、どこか窮屈さが残っていました。

そこで選んだのは、「部屋数」ではなく「在り方」を整えるという発想。
この住まいは、用途に合わせた3つの場所へリノベーションされました。
ひとつ目 ― 家族が集う、大きなリビング
個室を思いきって束ねて中心に据えたのは、家族のための大きなリビング。
扉で区切らない。
視線を遮らない。
広がりの中に、家族の気配がゆるやかに溶け合います。

床一面に敷き詰めたブラックウォールナットの無垢材。
落ち着いた色合いが光を受け止め、やわらかな陰影を描きます。
造作の障子越しに差し込む自然光は、日常に奥行きを与えてくれます。
和とモダンが静かに調和する住まいになりました。
ふたつ目 ― 玄関から続く、自由な広がり


ひときわ印象的なのが、玄関から土間を経てつながるフリースペースです。
段差のない設計にすることで、子どもたちも安心して遊べます。
遊び場として。
学びの場として。
時にはアウトドア用品を広げる場所として。
暮らしの変化を受け止める、しなやかな場所になりました。

将来は、成長に合わせて3つの子ども部屋に分けられる設計に。
今の伸びやかさも、未来の独立性も。
その両方を大切にしています。
みっつ目 ― 家の中心に立つキッチン

住まいの中央に据えられたキッチンは、まるで家族の見守り台のよう。
リビングへもフリースペースへも、視線が届く配置です。
大きなカウンター。
明るく開けた視界。

壁面にはタイルをあしらい、素材の質感がアクセントを添えています。
家族の動きが交差し、会話が自然に生まれる場所です。
物語を感じさせる、寝室への扉
リビングに隣接する寝室へは、アーチ型の造作ドアを設えました。
曲線を描くその姿は、どこか童話の世界を思わせます。


木の温もりと、モルタルの静かな質感。
異なる素材が響き合い、家族全員の寝室にふさわしい落ち着きを生み出しました。
横開きの扉を開けば、昼は家族の賑わいとつながり、夜は穏やかな休息へと切り替わる。
時間の移ろいに寄り添う設計です。
暮らしを整える、細やかな設計
各所に設けた造作収納。
洗面所にも十分な収納力を確保しました。
見える場所も見えない場所も整うことで、日々の動きが自然に整います。


広さを活かすだけでなく、暮らしを描き直す。
3つの場面がゆるやかにつながり、家族の毎日を支える舞台となった住まい。
ここから、また新しい時間が重なっていきます。











