間取りを変える。
壁を外す。
広さを整える。
それは、表面的な変化に見えるかもしれません。
けれど今回のリノベーションは、光の扱いから設計した住まいです。

主役は、照明。
灯りが壁をなぞり、素材を引き立て、住まいに奥行きを生み出しています。
もともと3LDKだった住戸は、1LDK+WICへ。
開放的な構成のなかに、繊細な陰影が息づいています。
迎え入れる灯り
玄関は、かつて両側を個室に囲まれていました。
その一室を土間へと転換。
大胆な斑模様の石調タイルが足元に広がります。


左手には小さなカウンター。
鍵を置く。
季節の花を飾る。
帰宅の所作が美しく整う場所です。

その上で灯るのは、丸い透明ガラスのブラケットライト。
繊細なヘキサゴンの凹凸が、壁に柔らかな模様を映し出します。
扉のない動線という発想
土間の先には、ウォークインクローゼット。
タイルからフローリングへと床材が切り替わり、自然に領域が変わります。
扉はありません。
視線も風も遮らない構成です。
壁色は白よりわずかに落ち着いたベージュに。
光が柔らかく回り、クローゼットとしての機能を穏やかに示します。


さらにその奥には洗面室。
玄関から土間、クローゼット、洗面へと一直線につながる設計です。
帰宅後、ドアノブに触れることなく手洗いへ。
今の暮らしに求められる安心感が、自然な流れの中に組み込まれています。
灯りが映す、清潔感

洗面室にも丸いブラケットライトを採用。
黒のアイアンが支えるフォルムは、愛らしさと凛とした印象を兼ね備えています。
モザイクタイル柄のクロスに灯りが重なり、やわらかな陰影が広がる。
毎日の身支度の時間が、少しだけ特別になる瞬間です。
ひと続きのLDKへ

和室を隔てていた壁を取り払い、大きな一室へ。
将来個室を再生できるよう、天井には下地を残しています。
床は無垢のオーク。
クリア塗装で木の表情をそのまま引き出しました。
素足で触れたときの感触まで計算された仕上がりです。

全体は白で統一。
一面だけベージュのアクセントクロスを。
色の抑揚が、静かに品格を引き上げます。
その壁の上部を数センチふかし、内部に間接照明を仕込みました。
さらにピクチャーレールも追加。
お気に入りのアートやオブジェが、灯りとともに浮かび上がります。
キッチンに、都会の洗練を

仕切られていたキッチンは、壁を取り払いオープンカウンターへ。
リビングと視線がつながります。
壁面にはサブウェイタイル。
整然と並ぶ白いタイルが、凛とした佇まいをつくります。

カウンター上には丸いガラスのペンダントライトを2灯。
まるで上質なカフェのような雰囲気が漂います。
リビングの間接光とも調和し、洗練された印象に仕上がりました。
静かな寝室の灯り

メインベッドルームには、木製シェードのブラケットライトを。
無垢の床材と響き合い、落ち着いた空気をつくります。
ガラスとは異なる、素材の温かみ。
灯りが変われば、印象も変わる。
その違いを楽しむ設計です。
照明から始める住まいづくり

照明は、明るさを確保するための設備なだけではありません。
傘の形。
素材。
光の色。
設置する高さ。
その選択一つひとつが、住まいの印象を決めていきます。

リノベーションでは、配線計画から設計できるのが強みです。
光をどう扱うか。
それが、住まいづくりの鍵なのかもしれません。









