足し算ではなく、引き算からはじまる住まいづくり。
本当に必要なものだけを残し、暮らしの輪郭をくっきりと描く。
この住まいは、そんな哲学から生まれました。


部屋数をあえて減らし、機能を厳選することで叶えます。
無理なく、美しく、日々を整えてくれる暮らし方です。
壁をほどき、暮らしをひとつに
かつて2部屋に分かれていた場所は、間仕切りを取り払ってオープンに。
しかも、部屋ではなくダイニングキッチンとして生まれ変わりました。

視線が遮られないことで、動きは自然と滑らかに。
行き止まりのない動線が、日常の小さなストレスをそっと消してくれます。

掃除も洗濯も、気づけば短時間で終わる。
そうして生まれた時間は、新しい挑戦や自分をいたわるひとときへ。
住まいが、人生の背中を静かに押してくれます。
コントラストが描く、洗練の輪郭
床には、深みのある色合いのフローリング。
建具には黒を選び、全体に引き締まった印象にまとめました。

重心を低く見せる配色にするため、天井には明るい色を採用。
視線が自然と上へと導かれ、実寸以上の高さを感じさせます。

落ち着きと軽やかさ。
相反する要素が、美しいバランスで共存しています。
光で魅せる、表情のある天井
天井には、黒のダクトレールとスポットライトを配置。
直線的なラインが、空気感を引き締め、洗練された印象を与えます。

照らす位置や角度を変えることで、同じ場所でも昼と夜でまったく異なる表情に。
ダークブルーのアクセントクロスと呼応し、静けさの中に確かな個性が息づきます。
潔さが際立つ、壁付けキッチン
キッチンは、必要最小限の機能だけを備えた壁付けタイプに変更。
脚のない設計は、まるで宙に浮いているかのような軽やかさを感じさせます。

無駄を削ぎ落としたその姿は、機能美そのもの。
凛とした佇まいが、日々の所作までも美しく整えてくれます。

レトロを忍ばせた、洗面&トイレのしつらえ
木製カウンターに洗面ボウルを組み合わせた、オリジナルの洗面台。
背面には、印象的なフォルムのモザイクタイルをあしらいました。
丸いミラーとガラス棚が重なり合い、どこか懐かしい表情になっています。


トイレの床には、複数の色を織り交ぜたヘキサゴンタイル。
限られた広さだからこそ、繊細なデザインが際立ちます。
機能性と美しさを両立させているからこそ、ミニマルスタイルが映えるのです。
引き算が導いた、心地よい完成形
減室と徹底した整理によって生まれた、ミニマルな住まい。
効率だけを求めるのではなく、暮らしの質そのものを高めるための選択です。

静かで、整っていて、どこか凛としている。
住む人の感性に寄り添いながら、これからの毎日を誠実に支え続けてくれるでしょう。












