ドアノブに手をかけ、ゆっくりと扉を押し開ける。
視線の先に広がるのは、どこか懐かしく、それでいて新しい景色です。

足元に広がるのは、静かな存在感を放つモルタル仕上げの土間。
そして、その先にぽつりぽつりと置かれた3つの飛び石。
玄関からリビングへ、まるで小径を歩くように。

境界はあいまいに。
固定観念は、そっと外して。
この住まいは、「こうあるべき」という常識を軽やかに飛び越えます。
土間をのばすという、自由な発想
土間玄関は、人気の高いリノベーションのひとつ。
けれど、この住まいはそこに留まりません。


モルタルの床は、リビングの中まで静かに続いていきます。
どこまでが玄関で、どこからがリビングなのか。
その曖昧さが、なんとも心地いい空間に。

飛び石には、リビングと同じフローリング材を使いました。
少し深みのあるアンティークブラウンが、モルタルの無機質な表情にあたたかなニュアンスを添えます。
異素材が響き合い、調和し、足元から住まいの個性を語りかけてきます。
白で描く、凛とした輪郭

玄関、廊下、LDKの壁と天井は白で統一。
光を受け止め、やわらかく反射し、室内全体を明るく包み込みます。
今回はあえて巾木を設けず、壁と床のつながりをすっきりと。

余計な線を消すことで、全体の印象は驚くほど軽やかになりました。
細部まで計算された引き算が、洗練された空気を生み出しています。
ステンレスとブルーが響き合うキッチン

キッチンの天板とシンクはステンレス。
本体は合板で仕立てた、こだわりのオーダーメイドです。
金属のクールな輝きと、壁一面の鮮やかなブルーも追加しました。
シルバーと青が織りなすコントラストは、思わず目を奪われる美しさになっています。

サイズも、設備も、収納も。
色でゾーニングするというアイディアも、この住まいの魅力のひとつです。
視覚的な変化が、日々の家事時間にリズムをもたらします。


キッチンの隣に、軽やかなランドリー
キッチンのすぐそばに設けたランドリースペース。
「洗濯機は洗面脱衣室に」という固定観念を見直しました。


料理をしながら、洗濯も進める。
動線は短く、動きはスムーズに。
窓際にランドリーパイプを設置したのもポイントです。
光と風を感じながら干す時間は、どこか気持ちまで整えてくれるよう。
暮らしやすさは、ほんの少しの発想転換から生まれるのです。
ミニマムに整えた洗面室

造作の洗面台は、驚くほどシンプル。
装飾を抑え、必要な機能だけを丁寧に選びました。
大きな一枚鏡が視線を奥へと導き、室内に広がりを感じさせます。
清潔感のある佇まいは、一日の始まりにも終わりにも、静かな安心感を与えてくれます。
光を抱く、2つの洋室
LDKのほかに設けた洋室は、2部屋。
バルコニーから差し込む光が、室内をやさしく照らします。
白い壁と、深みのあるブラウンの床。
そのコントラストが、凛とした美しさを際立たせます。

廊下の突き当たりの一室には、ウォークインクローゼットを。
収納まで含めて設計することで、日々の整い方が変わっていきます。
家の中を歩くことが、楽しくなる
玄関を開けると、目に入る3つの飛び石。
思わず足を踏み出したくなる、その仕掛け。
移動するという行為が、少し特別になりました。

斬新さと、遊び心。
素材へのこだわりと、細部への配慮。
この住まいは、毎日を少し誇らしくしてくれる家です。










