一見すると、静かで硬質。
けれど一歩足を踏み入れると、想像とは異なる表情が立ち上がります。

光を受け止め、穏やかに反射する壁と床。
この住まいは、クールさの奥に、確かな温度を秘めています。
間取りを解き放つ
もともとは4DK。
細かく区切られた部屋が連なる、典型的な住まいでした。

施主さまが描いたのは、もっと大胆な暮らしの輪郭。
3つの部屋を一体化し、生活の中心となるひとつの大きな居場所へ。
リビングであり、寝室でもある。
用途を限定しない構成が、日常の自由度を大きく広げています。

天井が語る、部屋の個性

視線を上げると、コンクリートがそのまま現れます。
あえて隠さず、素材の表情を正面から受け止める作りになっているのがポイント。
天井高を確保したことで縦への伸びやかさが生まれ、部屋全体に軽やかな開放感が漂います。
好みが分かれる要素だからこそ、強い意思が感じられる仕上がりです。
機能美を支える、さりげない工夫


部屋の両サイドには、可動式の収納を配置。
必要な量や使い方に合わせて、柔軟に形を変えられます。
さらにカーテンレールを設け、衣類を隠す実用性と、布がもたらす装飾性を両立。
生活感を抑えながら、空気感を整えるための細やかな設計です。
あえてトーンを落としたキッチン

キッチンは、あえて落ち着いたトーンでまとめました。
色味や素材の主張を抑えることで、空間に深さが生まれ、周囲との関係性がより際立ちます。
隣に置かれた背の高めなダイニングテーブルは、調理や盛り付けのための作業台としても使えるのがポイント。
視線の高さが揃うことで動線が自然につながり、キッチンまわりにリズムが生まれています。

アートが映える、静かな器


美術品や絵画を多く所有されている施主さま。
まるで小さなギャラリーのように、家のあちこちにコレクションが光ります。
過度に主張しない家だからこそ、作品を際立たせてくれるよう。
日常の中でアートと向き合う時間を、大切にできそうな空間です。
洗面室に込めた、徹底したこだわり

洗面室は、特に施主さまの想いが色濃く反映された場所。
洗面台は特注サイズのオーダーメード品で、使い勝手を最優先に設計されています。
蛇口も、デザイン性の高いものを厳選。
設計士との対話を重ねた結果、満足度の高い仕上がりとなりました。

時間が形づくった、ひとつの答え
無機質な素材を選びながら、触れるとどこか穏やか。
抑えた表情の中に、確かな奥行きが感じられます。
施主さまの美意識と日々の過ごし方が静かに溶け合った、完成度の高いリノベーションマンションです。











