かつては4LDKの部屋。
部屋数が多くて便利だったものの、どこか窮屈さを感じさせる住まいでした。

「一部屋を減らしてリビングを広げる」という選択が多い中で、今回選ばれたのはまったく逆の発想です。
「すべての部屋をなくす」。
大胆な決断の先に現れたのは、リノベーションだからこそ実現できた、唯一無二のワンルームです。

発想そのものが住まいの表情を一変させた事例として、ご紹介します。
主役は、視線を惹きつける「書庫」
広がりのあるワンルームの中で、ひときわ印象的な存在となっているのが、この小さな書庫。
施主さまの強いこだわりから生まれた、特別な居場所です。

あえて個室の書斎にはせず、背丈より少し高い壁で囲っただけの軽やかな設えに。
天井を設けないことで、圧迫感を抑えながらも、しっかりとした「こもり感」を生み出しています。

足を踏み入れるたび、気持ちが高鳴る場所
書庫の中に入ると、その魅力はさらに際立ちます。
ワンルームの中に設けられた、小さな別世界。

アーチを描く開口部がやさしい印象を添え、どこか物語の中に迷い込んだような感覚に。
本を手に取る時間そのものが、特別なひとときへと変わっていきます。

素材で魅せる、洗練されたキッチン
キッチンには、トレンド感のある木目調のシステムキッチンを採用。
合わせたのは、シンプルなボーダータイル。
主張しすぎず、素材の美しさを引き立てます。

足元には、お手入れのしやすさを考慮した塩ビのフロアタイルをセレクト。
床材を切り替えることで、視覚的にも心地よい変化が生まれています。
あえて「ここだけ」と決めた収納
扉付きの収納は、この住まいでただ1箇所。
最初から「収納はここだけ」と決めることで、持ち物との向き合い方が自然と変わります。
探し物もなくなるので、日々の時間を効率よく使うヒントにもなりました。

ルーバータイプの木製扉は、ナチュラルで温もりのある表情。
ミニマムな暮らしを無理なく始めるための、静かな後押しとなっています。
水回りをひとつにまとめた合理性

洗面、ランドリー、WC、脱衣室はひとまとめに。
動線を短くし、日々の使いやすさと掃除のしやすさを両立しました。


洗面台は壁付けタイプで、すっきりとした印象に。
キッチンと同じボーダータイルを用いることで、住まい全体に統一感をもたせています。
さりげなく整えた、玄関の表情

玄関は、あくまでシンプルに。
床材のデザインを切り替えることで、自然な区切りを演出しています。
装飾を抑えた分、素材の質感やラインの美しさが際立ちます。
細部にまで宿る、住まいへの想い


スイッチには、近年注目を集めるJIMBOスイッチを採用。
電気まわりは後から手を加えにくいからこそ、計画段階でしっかりと選び抜きました。
日常で何度も触れる場所にこそ、妥協しない姿勢が表れています。

77.69㎡が描く、新しい暮らしのかたち
リノベーションによって生まれた、77.69㎡の贅沢なワンルーム。
広さそのもの以上に、使い方の自由さが、この住まいの魅力です。

訪れた人が思わず「羨ましい」と声を上げてしまうような暮らしが、ここから静かに始まっていきます。










