マンションの一室を、自分の暮らしに合わせて大胆に組み替えながら、「これから始めたいこと」まで受け止める住まいへ。
テーマになったのは、「料理をしたくなる家」。
好きなものを少しずつ重ねながら完成した、ひとり暮らしのリノベーションをご紹介します。

3LDKを、あえてひとりのために広く使う
今回の住まいは、63.25㎡の3LDK。
一般的には「部屋数をどう活かすか」を考える広さですが、今回は逆の発想でした。
一部屋を取り込み、横長の大きなLDKへ。
個室を増やすのではなく、「どこでどう過ごしたいか」を優先して間取りを再構築しています。

寝室は、ベッドを置くための静かな場所として最小限に。
その代わり、衣裳部屋を大胆に確保しました。
収納量を増やすというより、服を選ぶ時間まで楽しめるような設計に。
エントランスから土間、衣裳部屋までをゆるやかにつなげることで、住まいに奥行きが生まれています。
「料理を始めたくなるキッチン」をつくる

この住まいの中心になったのが、キッチンでした。
「これからは、ちゃんと料理をしたい。」
その想いを受け止めるために、設備もデザインも徹底的に吟味。
複数メーカーの最上級モデルで比較を重ねながら、機能性と見た目の両方に納得できる一台を選びました。

採用したのは、アイランドキッチンです。
リビング側は収納を設けず、天板を大きく張り出した仕様にしています。
将来的にはバーチェアを置き、軽く食事をしたり、お酒を飲んだり。
料理をする場所としてだけではなく、日々の時間が自然と集まる存在として計画されました。
木の風味と白の静けさの対比

LDKや玄関には、木目の天井や間接照明を取り入れました。
一方、洋室には無機質なホワイトを基調とした素材を採用。
余計な装飾を抑えることで、設備の美しさや直線的なデザインが際立っています。

木のぬくもりに寄せすぎない。
無機質さだけにも振り切らない。
部屋ごとに異なるテイストが、灯りの陰影まで楽しめる落ち着いた雰囲気を醸し出します。
好きなものを選び抜いた先に、暮らしは少しずつ育っていく
広さの使い方も、間取りの考え方も、キッチンへのこだわりも。
今回の住まいには、「こう暮らしたい」という感覚が丁寧に重ねられていました。
誰かに合わせた正解ではなく、自分のために選び取っていくこと。
その積み重ねが、帰るたびに愛着の深まる住まいにつながっていきます。

これから料理を始める時間も、服を選ぶ朝も、照明を落として過ごす夜も。
この部屋と一緒に、少しずつ輪郭を帯びていくのかもしれません。











