「ふたりのこれから」に寄り添う住まい
親子2人での日々。
決して派手でないものの、長年積み重ねてきた「安心の時間」に包まれていました。

引っ越しを検討した頃、まずは賃貸を検討していた施主様。
けれど、身近な人たちが次々とリノベーションに挑戦し、オリジナルの家へと生まれ変わらせます。
「私たちも、自分たちだけの空間を作ってみたい」

心の中で、静かにスイッチが入りました。
家づくりは、「3つの願い」から始まった

リノベーションの目標は、「4つの願い」を叶えること。
- おしゃれで、生活感の少ないキッチンにしたい
- 仕事に集中できる、充実のワークスペースがほしい
- ベージュを基調にした、モダンな空間にしたい
75㎡、築33年の物件。
ここに、高校生のお子様との新たな暮らしを描き出すプロジェクトが始まりました。

生活感をなくした、ナチュラルな「キッチン」
「生活感が出やすいキッチン周りを、できる限りスマートに整えたい」
その想いが、キッチンのデザインも機能性にも現れます。

まずは、壁付けキッチンから対面式キッチンへ。
シンク下にゴミ箱がぴたりと収まるスペースを確保し、「見えない部分」を作りました。

さらに、キッチン脇には大容量のパントリーを配置。
家電も調理器具もすべてここへ。
いつでも凛と整う、絵になるキッチンになりました。
家族の気配を感じながら働く、「つながるワークスペース」
ワークスペースは、寝室とキッチンのあいだに設置。
ただ、ひとつだけ譲れない希望がありました。
それは、「孤立した場所にしたくない」ということ。

そこで、空間を完全に遮る壁ではなく、やわらかく視線と気配を通す「ルーバー」を採用しています。
「ルーバー」は、細長い羽板を平行に並べ、空気や光を通す素材。
これで、リビングでの気配を感じながら仕事にも集中できます。
穏やかに、美しく。ベージュを纏うモダン空間
家全体を、ベージュを基調にした静かで上質なモダン空間に統一。

ベージュは、ただの中間色ではありません。
光をやわらかく受けとめ、時間帯によって表情を変える、とても奥行きのある色。
親子ふたりの暮らしに寄り添うように、優しさと温もりを含んだ空気にしてくれます。

床材、壁、家具のトーンを丁寧にそろえ、全体に統一感を持たせるのがポイント。
照明や素材の質感で単調さを回避し、「触れてわかる心地よさ」を積み重ねました。

強く主張しない色だからこそ、生活のリズムや気分に寄り添う懐の深さがある。
その静かな佇まいが、モダンな世界観を広げています。
ふたりの暮らしに、ふたりらしい余白を
親子で過ごす時間。
それぞれが大切にしている価値観。
必要なものと、なくてもいいもの。
ひとつの家にさまざまな想いが重なり合って、「ちょうどいい暮らし」が形になりました。










