――メゾネットという「個性」を愉しむ。
リビングの中央に静かに佇む一筋の階段から、この家の物語が始まります。

リノベーション前からメゾネットタイプだった珍しいマンションで、階段をどう活かすかわくわくするようなリノベーションです。
階段の個性を隠すのではなく、大胆に、そして美しく見せることで、唯一無二の空間へと生まれ変わりました。
今回は、メゾネットの階段を活かし、「二層の暮らし」を作り上げたリノベーション事例を紹介します。
オープンな階段は、光と風の通り道
存在感抜群のオープンな階段があることで、LDK全体がひとつの大きな舞台のように演出されています。
光と風が階段を通り抜け、家中に心地よいリズムを運んでくれるのもポイント。
圧迫感のないスチール手すりは、インテリアのアクセントとして馴染みました。

二階へとつづく壁にはガラスブロックを散りばめ、柔らかな光を取り込む工夫も。
思わず上ってみたくなるような、そんな「二層生活の始まり」を感じられる場所になっています。
床に込めた、遊び心と上質さ
LDKの足もとには、パーケットフローリングを斜め張りで。
伝統的なパターンを、モダンな感性で仕立て直しました。

広い空間に映えるその表情は、まさにリノベーションの醍醐味。
光の角度によって陰影が変わり、時間とともに異なる美しさを見せてくれます。
キッチンはシンプルに。でも印象的に。
キッチンは、余白の美しさを大切にした対面スタイル。
シンプルなスタイルなので、機能性も抜群です。

それでもデザインへのこだわりが随所に見られ、モルタル調のグレーでまとめられた床や壁がシックな雰囲気を演出します。
レンジフード下のグリーンパネルと背面のブルーウォールは、ほどよいアクセントとして採用。
生活感を抑えながらも、心が弾むような空間。
「使うたびに好きになるキッチン」を目指しました。
1階はモダンに、2階は爽やかに
階段を上がると、空気が少し柔らかく変わります。

ブルーのカーペットが広がるベッドルームは、まるで空の色を閉じ込めたような心地よさ。
白く塗られた壁は、お施主様がDIYで仕上げたものです。

色を塗る一筆ごとにわくわくする。そんな記憶が、今も空間に溶け込んでいるかのよう。
暮らしをつくる時間そのものが、この家の魅力を深めてくれました。

清らかに整える、日常の美しさ
洗面台は、白いゆらぎタイルとタモ材のカウンターを組み合わせて。
清潔感のなかにやさしい温もりを感じさせる、人気のオーダーデザインです。

玄関横のオープン収納や、グレーのタイルをあしらった腰壁など、どこを見ても“すっきりと上品”に仕上げられています。

また、スイッチ、照明、素材の質感など、その全てに施主様のセンスと想いが宿っています。
プロの手で整えながら、自分たちらしく育てていく家。
それはまるで、暮らしという名のアート作品です。

ひとつひとつの「好き」が重なって
メゾネットの特性を最大限に活かし、階段が家族をつなぐシンボルとなったこの住まい。
見るたび、歩くたびに新しい発見がある――
そんな「ときめきの続くリノベーション」になりました。











