幼いころからDIYを始めたとよた真帆さんと、内装職人だった小笠原社長のモノ作り談義から、リノデュースがリノベーション事業を手掛けることになったいきさつと、モノづくり視点から見た業界のサービスに対する想いを語っていただきました。
小笠原社長(以下、小笠原)とよたさん、本日は弊社にお越しいただき、誠にありがとうございます。
とよた真帆さん(以下、とよた)こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。
―では早速ですが、お二人の共通点であるモノづくりについてお伺いしていきたいと思います。
とよた私は母が「もったいない精神」の塊の人で、例えばいただいたフルーツの箱を取っておいて小物入れにするなど、捨てるのではなく応用していくのが身についている人でした。それが当たり前で育って、子供の頃から図画工作が好きなこともあり、可愛い箱があったら「これで何かを作ってみよう」といった感じで自然と釘と金槌でDIYしていましたね。最近では、油絵を買ってそれを飾る壁に絵を立たせる色の壁紙に張り替えたりします。
小笠原それ面白いですね。絵をコンセプトに壁紙を合わせて行くのは考えなかったですね。
とよたそんなことばっかり考えてます(笑)
小笠原僕は元々現場の内装職人をやってまして、その時の業界は、仕事ができるかどうかよりも発注者といかにくっつくかの世界だったんです。大半の会社が顧客を見ずに、お金しか見ていない仕事をしていることに疑問を感じて「自分で会社を作りたいな」と思い24歳の時に独立しました。内装の会社で「小笠原内装」という会社をやっていました。
とよたそこからどのように今の事業に移行したのですか?
小笠原内装業をやっていくうちに、もう少し幅広くやりたいなということでリフォームをやっていこうとなりました。そうなると不動産もやりたくなりまして(笑)買取再販を始めてました。
買取再販をやっているとワンストップが注目を浴びてきまして、デザイン系の会社さんが大多数を占めていたのですが、モノづくりが出身の我々のがもっと良いものをお客さんに勧められるのではないかという思いがワンストップ事業を始めるきっかけになりました。不動産をずっとやってきたので物件の価格の目利きができますし、他社さんとは違ったモノづくりの視点でできることがワンストップになったらお客様に喜んでいただけるのではないかという思いでした。
とよたお客様にとってはすごく親切な会社ですよね。全部をトータルでやってくださるってことは、この物件は大丈夫っていうハンコを押してくれているようなものだし、すごく信頼と安心に繋がると思います。
小笠原そうですね。ありがとうございます(笑)
あと、価格面でも思うことがいくらかありました。不動産は手数料がかかってくるのですが、私たちモノづくりから始めればリノベーション費用だけで利益は取れるんですね。そこに不動産の紹介手数料がかかってくるのが二重取りに感じたので仲介手数料0 円で始めることにしました。さらに、私自身が職人出身ということもあるのですが、ワンストップ業界を見たときに、工事費に割高感を感じました。
これはリノベーション工事に関する施工方法や収め方など工事の細かい部分を考慮せずに価格設定をしているためかもしれませんね。
私たちであれば、これを作るのにいくらあればできるかが分かるので、適正価格でやろうという強い思いがあります。
とよたそれってすごく重要ですけど、言われないと分からないですよね。私はDIYをやるからこそ壁紙や木材が大体いくらか分かりますけど、具体的な細かいことは皆さん分からないですよね。
小笠原そうですね。例えば壁を作るのに材料がいくらかかるのか、など細かいところが分からないと価格交渉もできないですよね。
とよたそれが分かれば「じゃあ素材のランクを下げましょうか」みたいなこともできますもんね。
小笠原そうですね。あとは結局現場で作業するのは職人なので、お客様の声っていう部分ではお客様もプロではないので、ニュアンスやイメージで職人に伝えたりされるのですが、それが難しかったりします。そこに私たちプロが入って、お客様の声を汲み取って職人に伝えることができれば、よりお客様のイメージに繋げられたりしますね。
―立ち上げ時期に大変だったことは何でしょうか?
小笠原やっぱり最初は知名度が全くなかったので、集客が大変でした。
とよたどのように集客されたのですか?
小笠原最初はWEB広告を始めたのですが、友人に詳しい人がいるので教えてもらって自分で広告を作りました。
あと大変だったことと言えばスタッフですね。ワンストップ事業ですと、不動産知識はもちろん建築知識や設計知識、デザイン知識なども必要です。それらを育成していくことが結構大変でした。
資金的なリミットもありました。先行投資になるので、売上が立たなかったら考えないとな…、という時期はありました。
―それでも事業を続けようとされたのはなぜ?
小笠原リミットの前にある程度売り筋が立ったので続けられましたこともありますが、他社さんよりも絶対いいサービスだよねって社員一同が思ってくれているところも大きいですね。
とよたその思いがお客さんに届いたと実感されたことはありましたか?
小笠原私達の業務って、長いと1年くらいお客様とお付き合いするんですね。そうするとコーディネーターとお客様との間に絆が生まれたりするのですが、コーディネーターとお客様で、売るのに苦戦した物件が最終的に売れて、好きなリノベーションで完成して、というときに涙を流しながら抱き合って喜んだという話を聞いて、人に喜んでいただける仕事なのだなと、実感しました。
とよた素敵ですね。どんなお仕事でもそうですが、信頼がまず第一歩ですよね。
小笠原そうですね。人に信頼され喜ばれる仕事を続けたいですね。本日はありがとうございました。
とよたこちらこそありがとうございました。