木の表情がもたらす穏やかさと、ブラックの引き締まった存在感。
相反する要素が静かに溶け合い、住まいの印象が少しずつ立ち上がっていきます。

素材の選び方や配置に丁寧な意図を込め、日々の動作や視線の先まで美しく整えたリノベーション。
落ち着きの中に確かな意志を感じる、心地よい暮らしのかたちをご紹介します。
足元から感じる、確かな質感

LDKの床に選ばれたのは、オークの無垢フローリング。
日本ではナラとも呼ばれるこの木は、強さと端正な木目を併せ持ち、時を重ねるほどに表情を深めていきます。
日々の動作を受け止めながら、暮らしに静かな安心感をもたらします。
黒が描く、住まいの輪郭

西側の壁一面にあしらわれた、黒のアクセントクロス。
視線を引き締め、空間全体に芯のある印象を与えています。
天井には黒のダクトレールとスポットライト。
光の落ち方まで計算されたその佇まいが、住まいに洗練されたリズムを生み出します。
窓際にはアイアンハンガーを並行して設置し、実用と美意識を自然に重ねました。

家事の流れが、美しく整うキッチン
キッチンは、木目柄のペニンシュラタイプ。
ナチュラルなトーンが周囲と調和し、LDKの一部として穏やかに溶け込みます。

壁には白のサブウェイタイル。
立体的な表情が光を受け、上品な陰影を描き出すのがポイントです。
シンク、コンロ、冷蔵庫、食器棚、テーブル。
それぞれの距離を丁寧に詰めることで、動きに無駄のない快適なキッチンが完成しました。
帰宅の所作を、心地よく切り替える玄関

玄関でまず目に入るのは、モルタル仕上げの広い土間。
稼働棚の靴収納は量の変化にも柔軟に対応し、通気性にも配慮されています。

土間の奥にはウォークスルークローゼット。
外から帰り、そのまま着替えてLDKへ向かう流れが、日常の切り替えを自然にしてくれます。
上框を設けず、フローリングを切りっぱなしにした納まりも、すっきりとした印象を強めています。
白に、黒をひとさじ

洗面室は白を基調に、造作カウンターで仕上げたオリジナル仕様。
モザイクタイルのどこか懐かしい表情に、黒のタオル掛けが静かなアクセントを添えています。
トイレも同様に、白をベースに黒の小物で引き締めました。
控えめなコントラストが、清潔感と上質さを両立させています。

温もりに意志を宿して
木の質感を大切にしながら、要所に黒を効かせる。
その選択が、住まい全体に心地よい緊張感をもたらしました。
やさしさの中に、確かな輪郭を持つ家。
感性と実用が丁寧に重なり合った、センスあふれるリノベーションです。











