代々木上原という街並みに自然に溶け込む、センスあふれるご夫婦の住まい。
今回リノベーションするのは、築60年近くを経たマンションの一室です。
年月を重ねて大切に使われてきたお部屋だからこそ、長く愛せる上質さと、経年が味となる空間づくりにすることを決定しました。
絵画や収集物を自由に置き、暮らしながら個性を育てられる——そんな家づくりをご紹介します。
キッチンから生まれる、LDKの一体感
元々の壁付けⅠ型キッチンを、リビングを見渡せるⅡ型キッチンへ変更。
木天板の自然な風合いが家具のように空間に馴染み、LDK全体に統一感を生み出します。
施主様自身により、部屋の雰囲気を壊さないよう、フローリングも同じ樹種で揃えることに。
空間全体に柔らかな統一感が生まれて、LDK全体の雰囲気を作り上げています。
機能性と収納力も妥協せず
玄関隣のウォークインクローゼットは、靴や衣類をすっきり収納できる広さにこだわりました。
ハンガーパイプや棚の配置にこだわり、デッドスペースを最小限に。
リビング内にも小さな納戸を設け、生活動線と収納力のバランスを両立させています。
また、廊下など家のいたるところには絵画などの収集物が。
ごちゃごちゃとした感じなのに、なぜが落ち着く。「我が家だけの空間づくり」が実現しています。
洗面所にはレトロ感も盛り込んで
洗面には真っ白なプレーンタイルを採用。
アクセントとしてエンジ色の目地を組み合わせ、シンプルでありながら個性を感じさせます。
どこかほんのりレトロな雰囲気が漂う場所になっていて、照明や鏡のフレームもどこか懐かしさを感じるデザインです。
また、床や収納のディテールにもこだわり、機能性とデザイン性を両立。
洗面所での身支度という日常のひとコマも、少しだけ特別に感じられる——見た目の美しさだけでなく、毎日の身支度が心地よくなるよう工夫しました。
「普通」の中に光る格好良さ
この住まいのコンセプトは、何気ないデザインの中に余白と品格を宿すこと。
無機質な白黒シルバーとバーチ材の木質感など、組み合わせ次第で自然な落ち着きと洗練さを与えてくれる素材もフル活用されています。
将来的にはDIYもしやすいお部屋なので、日々変化しながら家族の暮らしを彩ってくれるでしょう。
柔軟で愛着の湧く住まいが完成しました。
