リノベーションは、必ずしも大きな間取り変更を伴うとは限りません。
家族が長く過ごしてきた「この間取り」を活かしながら、流れる時間をもっと心地よく、もっと自分たちらしく。
そんな想いからはじまった、静かで美しいリノベーションです。

アンティークなデザインで落ち着きを追及した設計には、どのような魅力が息づくのでしょうか。
玄関に満ちる、柔らかな気品
扉を開けた瞬間、ふっと深呼吸したくなる。
既存の靴箱をあえてなくし、代わりにウォークインのシューズクローゼットを設けました。


アーチの開口が描く優しい曲線。
アクセントクロスが醸すアンティークの気配。
小さな工夫の積み重ねが、玄関を「ただの入り口」から「家の表情」へと変えてくれます。
時代の変化に寄り添う、静かなワークスペース
リモートワークの機会が増えた今だからこそ、住まいにも新しい役割が求められます。
一室はそっとワークスペースへ。

その日の気持ちに合わせて空間を調整できるよう、調光・調色機能も完備。
いつの間にか、「働くこと」が心地よい習慣になりそうです。
眠りへと誘う、やわらかな寝室
寝室は、色と光で静けさを整えました。
クロスは落ち着きのあるトーンに変更。
一日の終わりが、ふっと優しくほどけていくように。

ワークスペースと同じように取り入れた調光照明が、夜のやわらかな気配を包み込んでくれます。
リビングの壁を取り払って開放感を
リビングと隣の寝室を隔てていた壁を思い切って撤去。
天井もスケルトンにすることで、本来の高さを取り戻しました。

まるで空気が伸びをするように。
視線は奥まで抜け、光は部屋全体に広がっていきます。

スポットライトの陰影。壁全面に広がるキャビネット。
そのすべてが、心を潤す「豊かな余白」を描きます。
アンティークの気配をまとうキッチン

奥さまのセンスが光るキッチンは、クッションフロアとアクセントクロスがアンティークな世界観を引き寄せる空間に。
収納力もたっぷりです。

そこに立つだけで自然と背筋が伸びて、「今日もここから一日が始まるんだ」と思わせてくれる──。
そんな、凛とした美しさがあります。
細部まで美しく整えた、理想の洗面室
既存の設備はすべて撤去し、ゼロからカタチづくった洗面室。
ブラケット照明、鏡のフレーム、タオルバー、カウンターなど、ひとつずつに「好き」が詰まっています。


朝の支度にも、夜のリセットにも、そっと寄り添う場所になりました。
大切なのは「変える」と「残す」のバランス
残すべきものはそのまま大切に残し、こだわりたいところにしっかり予算を投じる。
その選択が、この住まいに「アンティークの気品」と「機能美」という、2つの表情を与えてくれました。

広々と使える玄関。
伸びやかになったリビング。
自分たちのためだけにつくり上げた洗面室。
大好きなアンティーク空間に囲まれる、豊かに感じられる住まいとなりました。









