細長く伸びるマンションの一室。
制限が多いように思えるこの形に、私たちは可能性を見出しました。

部屋ごとに区切るのではなく、空間を「横へ横へ」とつなげていく。
それは、家族の気配までもやさしく結び直す設計です。
発想の転換が、暮らしの景色を変える
まずは、もともと中央にあった洋室を思い切って取り払いました。
現れたのは、空間がまるで横に広がったかのように感じられる、新しいLDK。

リビングとキッチンを並列に配置することで、生活の視線が90度変わります。
廊下のようだった一室は、家族が並んで過ごす、開放的でのびやかな場所へ生まれ変わりました。
料理をする時間も、家族の時間に
部屋の端には、アイランドキッチンを設けました。
視線を遮る壁はなく、目の前にはダイニングカウンター、右手にはリビングが広がります。

対面ダイニングとしても使える設計なので、料理中でも会話が止まりません。
日常の食事も、ちょっとした特別な時間に変わる場所となりました。
色と収納に、さりげない気遣いを
キッチン外側の壁には、グレーのアクセントクロスを。
無垢材の床と響き合い、空間にやさしい奥行きを与えます。

カウンター奥の足元には、もうひとつ棚を忍ばせました。
キッチン雑貨や小物を収める、ちょうどいい場所に変身。
「余った空間」を、暮らしに寄り添う収納へと変えています。

内側の壁には、白のボーダータイルを追加しました。
目地をグレーにすることで、清潔感の中にやわらかさが加わっています。
部屋の形にぴたりと寄り添うサイズ感
リビング正面には、テレビ台を造作しました。
部屋の形に合わせた「ちょうどよいスペース活用」を意識した設計に。
デッドスペースになりがちな場所も、無駄なく使えています。

窓際の明るさを活かして、ときには腰掛けベンチとして使うのもおすすめ。
「見る場所」が、「過ごす場所」へと変わります。
不利と思われた形が、最大の魅力へ
一見、制約が多そうな縦長の住まい。
けれど、視点を少し変えるだけで、ここまで自由で心地よい空間が生まれます。


明るい場所に居住空間をまとめ、横に並べてつなげる工夫。
どこにいても家族の気配を感じられる住まい。

横にひらいたのは、間取りだけではありません。
この家には、家族の時間と絆が静かに流れています。










