足し算ではなく、引き算からはじまる住まいづくり。
このリノベーションが見つめたのは、見た目の華やかさよりも、日々の暮らしそのものです。

家具や装飾が主役になるのではなく、暮らしが自然と馴染んでいくこと。
誰が住んでも、時間が経っても違和感なく受け止めてくれる器のような住まいを目指しました。
扉を減らし、家族の気配をつなぐ
各部屋を区切る扉は最小限に。
視線と気配が途切れない設計にすることで、家族それぞれが別の場所にいながらも、家族の気配をつなぎます。

和室の壁を取り払い、ひと続きになったLDK。
かつての間取りの名残を感じさせない、のびやかな日常がここから始まります。
主張しすぎない、アイランドキッチン
LDKの中心に据えたのは、完全独立型のアイランドキッチン。
存在感はありながらも、決して前に出すぎない佇まいです。

天板、シンク、壁面、収納扉に至るまで、すべてを白で統一。
ひとつの家具のように、暮らしの中へ静かに溶け込んでいます。

水栓には、浄水器一体型の複合水栓をセレクト。
手元の動きを妨げない高さと、洗練されたフォルムを兼ね備えています。
背面には、オリジナルで設計したキッチン収納棚。
家電が整然と並ぶよう、サイズやコンセント位置まで丁寧に計画しました。

見せない部分はきちんと隠す。
その積み重ねが、日々の使いやすさにつながっています。
収納は「隠す」ことで整う
リビングに隣接して設けた、約2.5畳のウォークインクローゼット。
入口には扉を設けず、カーテンで緩やかに仕切りました。


奥行きを感じさせることで、LDKの印象も軽やかに。
衣類はもちろん、スーツケースや季節用品までしっかり収まります。
見えない場所で、暮らしを支える存在です。
ホテルのような洗面
リビングから続く場所に設けた洗面スペース。
大きな一面鏡、人工大理石のカウンター、埋め込み型のボウルを組み合わせました。

凹凸を極力なくし、掃除のしやすさにも配慮。
白いタイルが、明るさと上質感を添えています。

タオル掛けには、黒のアイアンを採用しました。
全体を引き締めるアクセントとして、さりげなく存在感を放っています。
必要なものだけを残した、端正な佇まい。
一日の始まりと終わりを、気持ちよく迎えられる場所です。
浴室とランドリーにも、発想の転換を
浴室も白を基調にまとめ、あえて鏡を設けない選択を。
水垢のストレスから解放され、すっきりとした印象を保てます。

隣にはランドリースペースを配置。
換気扇を備え、天候に左右されない洗濯動線を確保しました。
外で使う道具や季節ものの置き場としても活躍します。

長く使うための、普遍的な答え
自然な木目と白を軸にした構成。
家具のテイストを選ばず、暮らしの変化にも柔軟に寄り添います。
派手さはないけれど、迷いもない。
「住む」を丁寧に考え抜いたら、自然とこの住まいになりました。

良質でシンプルなものを、長く大切に使う。
そんな価値観が静かに息づくリノベーションが完成しました。










